この記事では香典返しを辞退したい時に、遺族への伝え方について解説します。
香典を渡す時、遺族への負担を考える人もいると思います。
- 香典返しはいらない
- その分をご遺族のために使ってほしい
- 大変なときに、お返しまで用意してもらうのは申し訳ない
香典返しを辞退することは、マナー違反ではありません。
ただし、気をつけたいのが「辞退したつもりでも、ご遺族に伝わっていないことがある」ということです。
葬儀では、ご遺族本人ではなく、親族や知人、会社関係者などが受付を担当することもあります。
受付で「香典返しはいりません」と伝えても、その情報がご遺族まで伝わらない可能性があります。
香典返しを本当に辞退したいのであれば、相手にきちんと伝わる方法で意思表示することが大切です。
香典返しを辞退するのは失礼?

会葬御礼:葬儀参列のお礼ㅤ香典返し:香典のお礼
香典返しを辞退することは、失礼にはあたりません。
香典返しは、香典をいただいたことに対して、ご遺族がお礼として贈るものです。
しかし「少しでもご遺族の負担を減らしたい」「香典をお返しに使わず、ご遺族のために役立ててほしい」という気持ちから、香典返しを辞退する人もいます。
また、職場や立場によっては、規定などによって返礼品を受け取れないこともあります。
ただし、香典返しをするかどうかを最終的に判断するのはご遺族側です。
何も伝えていなければ、ご遺族は辞退したいという気持ちを知ることができません。
「きっと分かってくれるだろう」と考えるのではなく、辞退したい場合はこちらから意思を伝えましょう。
辞退したいなら香典袋に書く

香典返しを辞退したいときは、香典に辞退すると書いておく方法があります。
例えば、以下のような短い文でも構いません。
- 誠に勝手ながら、香典返しは辞退させていただきます
- お香典返しにつきましては、ご辞退申し上げます
- お返しのお心遣いは辞退させていただきます
中袋がある場合は、中袋の住所・氏名の横など、遺族が香典を整理するときに確認できる場所に書いておくと分かりやすいでしょう。
大切なのは、「香典返しを辞退している」と相手が判断できる書き方をすることです。
「お気遣いなく」「お構いなく」といった言葉だけでは、何にを伝えたいのか分からない可能性があります。
本当に辞退したい場合は「香典返しは辞退します」という内容を入れておくと、より伝わりやすくなります。
一筆箋を添える伝え方

香典袋に直接文章を書くことに抵抗がある場合は、一筆箋(いっぴつせん)などに書いて香典袋に添える方法もあります。
例えば、「この度は心よりお悔やみ申し上げます。誠に勝手ではございますが、香典返しにつきましては辞退させていただきます。」などと書いておきます。
ご遺族への気持ちを伝えたいのであれば、「わずかではございますが、ご遺族のためにお役立ていただければ幸いです。」などと添えてもよいでしょう。
文章として残しておけば、葬儀が終わったあと、ご遺族が香典を整理するときにも確認できます。
香典返し辞退「例文」

遺族のために使って欲しいケース①
誠に勝手ながら 香典返しは不要でございます
心ばかりではございますが ご家族の皆様のこれからのためにお役立ていただけましたらと存じます
遺族のために使って欲しいケース➁
香典返しにつきましては 辞退させていただきたく存じます
少しでもご家族の皆様のお役に立てていただきたいと思います
どうかお返しのご用意はなさらず お納めくださいますようお願いいたします
会社の規定で辞退するケース①
何かとご負担の多い時期かと存じますので 香典返しは辞退させていただきます
どうぞ私どものためにお返しをご用意なさらず そのままお納めください
会社の規定で辞退するケース➁
勤務先の規定により 香典返しを含む返礼品を受け取ることができません
誠に恐縮ではございますが 香典返しは辞退いたします
どうぞ返礼品のご用意はなさらないようお願いいたします
会社の規定で辞退するケース➂
香典は会社より 弔意を表すためにお供えしております
弊社の規定により 香典返し等の返礼品はお受けできません
恐れ入りますが 返礼品のご用意は不要でございます
会社の規定で辞退するケース➃
香典は 一同より故人を偲ぶ気持ちとしてお供えしております
皆の気持ちとしてお渡ししておりますので 香典返しは辞退いたします
どうぞ一人ひとりへのお返しはご用意なさらず そのままお納めください
会社の規定で辞退するケース➄
少しでもご家族の皆様のお役に立てていただきたいとの思いから 香典返しは辞退いたします
お返しに費用をお使いになることなく その分もご家族のためにお役立ていただけましたらと存じます
どうぞ返礼品のご用意はなさらないようお願いいたします
香典返し辞退「汎用テンプレート」
ダウンロードして印刷可能です。(A4)
A4用紙
受付で伝えるだけでは親族に伝わらない
葬儀の受付で香典を渡すときに「香典返しは辞退させていただきます」と伝える方法もあります。
ただし、口頭だけで済ませるのは注意が必要です。
葬儀の受付をしている人が、ご遺族本人とは限りません。
親族や友人、知人、会社関係者などが受付を手伝っている場合もあります。
葬儀当日は多くの参列者が訪れるため、受付で伝えた内容が、すべてご遺族まで伝わるとは限りません。
そのため、 香典に一筆書いておく方法にすると、辞退する意思が伝わりやすくなります。
香典返しを辞退する目的が「ご遺族の負担を減らしたい」という気持ちなのであれば、ご遺族があとから「この人には返した方がいいのかな?」と悩まなくて済むようにしておくことも大切です。
香典を少額にすれば香典返しは来ない?

「香典返しはいらないから、香典の金額を少なくしておこう」と考える人もいるかもしれません。
3,000円〜5,000円程度の香典は、友人や知人、近所の方などでは一般的な金額でもあります。
そのため、少額の香典を渡す場合に、あえて「香典返しは辞退します」と伝える必要はないでしょう。
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ご遺族によっては、香典の金額や地域の慣習、会葬御礼(かいそうおんれい)の内容などを考慮して、後日あらためて香典返しを検討されています。
会葬御礼:葬儀参列のお礼ㅤ香典返し:香典のお礼
少額の香典で「香典返しは辞退します」と申し出ると、ご遺族がもともと個別のお返しを予定していなかった場合、かえって気を遣わせてしまうことも考えられます。
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香典返しの辞退を伝えるのは、通常であれば香典返しが想定される金額を包むものの、「ご遺族の負担を少しでも減らしたい」など、お返しを受け取らないと考えている場合の方がよいでしょう。
一般的にはこのように考えられるケース多くあります。
- 香典5,000円 →
2,000〜3,000円の即日返しのみ
- 香典1万円 →
即日返し → 必要に応じて少し追加
- 香典3万円・5万円 →
即日返し+後日個別に追加
香典返しはどんな時にするもの?

一般的には、葬儀当日の「※即日返し・会葬御礼」は香典額にかかわらず同じ品物を渡すことが多いので、高額の香典をいただいた方には、四十九日などの忌明け後に追加で品物を贈ることがあります。
ただし、本来の香典返しそのものは「高額の人だけにする」という意味ではありません。
香典をいただいた方への返礼なので、基本は香典をくださった方が対象です。
一般的な返礼額は、いただいた香典の3分の1~半額程度が目安です。
香典は“誰から、どのような名義・意味で香典をいただいたか”で考えます。
親族・親戚からいただいた香典も、原則として香典返しをします。
ただし、親族から5万円、10万円など高額の香典をいただいた場合は、「遺された家族の生活の足しに」という援助の意味が含まれていることも多いため、きっちり半返しにする必要はなく、返礼額を抑えることがあります。
会社関係は少し違います。
会社そのものから「株式会社〇〇」など会社名義で出された弔慰金・香典なら、福利厚生として支給されている場合があり、基本的には香典返し不要とされるケースがあります。
一方、社長・上司・同僚・取引先の担当者などが個人として自分のお金から香典をくださった場合は、通常の香典と同じように返すのが一般的です。
故人が特にお世話になった方については、返した方が良いされています。
これは「香典返しが義務」ということではありませんが、故人と深い付き合いがあったなら、忌明けの報告と生前のお付き合いへの感謝を込めて返礼するのが自然です。
香典返しには、単なる金額の精算だけではなく、「仏事を無事終えました」という報告と香典へのお礼という意味があります。
※会葬御礼は、葬儀に参列していただいたことへのお礼として、当日に渡す返礼品です
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※即日返しは、香典へのお返しを葬儀当日に渡すことです。
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ただし、この区別や返し方は地域によって異なります。
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たとえば北海道など、一部地域では、葬儀当日に渡す返礼品を香典返し(即返し)として、そのままお返しを済ませるのが一般的です。
- 普通の金額の香典
→ 当日返しで対応
- 高額の香典
→ 当日返し+忌明け後に「後返し」
- 親族からの高額香典
→ 後返しはするが、半返しにこだわらず控えめでもよい
- 故人がお世話になった友人・知人
→ 個人から香典をいただいたなら基本的に返す
- 上司・同僚・社長など個人名義
→ 基本的に返す
- 会社名義の弔慰金・香典
→ 返礼不要の場合が多い
- 「香典返し不要」と明記されている
→ 原則、香典返しをしない。全日本冠婚葬祭互助協会もこの扱いを案内しています。
辞退したのに香典返しが届いた場合は?
香典袋にも書いたし、受付でも伝えた。
それでも香典返しが届くことはあります。
例えば、以下のような理由が考えられます。
・受付からご遺族へ伝わっていなかった
・香典袋に書いた文章を見落としていた
・香典返しを一律で手配していた
・辞退されてもお礼をしたいとご遺族が考えた
香典返しを辞退していたにもかかわらず届いた場合は、ご遺族からのお礼の気持ちとして、ありがたく受け取りましょう。
こちらから一度辞退の意思を伝えているのであれば、それでも届けてくださったものを改めて辞退する必要はありません。
ご遺族にも「お礼をしたい」という気持ちがあります。
何度も辞退すると、かえって気を遣わせてしまうこともあるため、そのお気持ちを受け取ることも一つの心遣いです。
まとめ
香典返しを辞退することは、失礼にはあたりません。
ただし、辞退したい場合は、ご遺族にきちんと伝わる形で意思を残しておくことが大切です。
受付で口頭で伝えるだけでなく、香典袋に書く、一筆箋を添えるなどしておけば、葬儀後に香典を整理する際にも確認してもらいやすくなります。
また、辞退を伝えていても、ご遺族の意向で香典返しが届くことがあります。
その場合は、無理に返そうとせず、ご遺族からのお礼の気持ちとして受け取ってよいでしょう。
相手への負担を減らしたいという気持ちが、かえって負担にならないよう、分かりやすく、やわらかく伝えることを心がけましょう。







