葬儀で香典を渡す際、夫婦や家族、職場の同僚、友人などと連名で包んでもよいのか迷うことがあります。
特に親族の場合は、兄弟やいとこ同士でまとめてもよいのか、成人した子どもは親と別々に包むべきなのか、判断が難しいこともあるでしょう。
また、職場などで少しづつ出し合った場合、受付ではどのように渡せばよいのか、当日に返礼品が用意されている場合はどう対応すればよいのか、といった疑問もあります。
香典は連名で出しても問題ありませんが、誰と一緒に包むのかによって、個別に用意した方が良い場合もあります。
この記事では、香典を連名で出す場合の考え方や金額の目安、香典袋の書き方、受付での渡し方、返礼品の受け取り方について紹介します。
香典は連名で出してもいい?
香典は、複数人でお金を出し合い、一つの香典袋にまとめて渡しても問題ありません。
ただし、連名にするか個別に包むかは、故人との関係性や家族の状況によって判断します。
| 香典を出す人 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 夫婦 | 一つにまとめるのが一般的 |
| 未成年・扶養されている子ども | 親とまとめるのが一般的 |
| 同居する成人の子ども | 経済的に自立していれば個別が基本 |
| 別世帯の兄弟・姉妹 | 個別に包むのが一般的 |
| いとこ同士 | 個別が基本だが、連名も可能 |
| 職場の同僚 | 連名でも個別でもよい |
| 友人・知人 | 連名でも個別でもよい |
連名で香典を包む場合は、誰がいくら出したのかを遺族が確認できるようにしておくと親切です。
香典返しは、いただいた金額をもとに用意することが多いため、連名の場合は一人ひとりの金額がわからないと、遺族が対応に迷うことがあります。
また、職場などで一人500円〜1,000円程度の少額を出し合う場合は、遺族の負担を考慮して、香典返しを辞退するケースもあります。
辞退する場合は以下の内容を一筆箋に書き、香典袋に同封しておくと丁寧です。
「皆で少額ずつ出し合った香典ですので、香典返しにつきましては、どうぞお気遣いなさいませんようお願い申し上げます。」
「皆で少額ずつ出し合った香典ですので、香典返しは辞退させていただきます。」
ただし、香典返しを辞退する場合は、事前に連名で包む方全員の意向を確認しておきましょう。
地域や親族間、職場の慣習によっても考え方が異なるため、周囲と相談して決めるとよいでしょう。
家族・親族で香典を連名にする場合
夫婦で香典を出す場合
夫婦で葬儀に参列する場合は、一世帯として一つの香典を包むのが一般的です。
香典袋には夫婦どちらかの代表者の名前を書くことが多いですが、故人と夫婦それぞれに親しい関係があった場合などは、連名で記載しても問題ありません。
また、夫婦二人で参列したからといって、香典を二人分用意する必要はありません。
ただし、葬儀後の会食に夫婦で参加する場合などは、人数も考慮して金額を決めるたほうがよいでしょう。
親子で香典を出す場合
親子の場合は、子どもの年齢だけでなく、経済的に自立しているかどうかも判断の目安になります。
未成年の子どもや、親に扶養されている学生の場合は、親が代表して香典を包むのが一般的です。
一方、成人して収入がある子どもの場合は、親と別々に香典を包むケースが多くあります。
ただし、同居している成人の子どもは必ず別々に包むという決まりではありません。
同じ家計で生活している場合は、一世帯としてまとめることもあります。
年齢だけで判断せず、家計が同じかどうかや、親族間の慣習なども考慮して決めるとよいでしょう。
なお、親が亡くなった場合は、葬儀を執り行う家族の一員として、香典を包まないこともあります。
例えば、父親が亡くなり、同居している長男が喪主を務める場合、同じ家に住む弟や妹も、仕事をして収入を得ていても香典を包まないケースがあります。
ただし、同居していても家計が別の場合や、親族間の慣習によっては、同じ家に住む、弟や妹は別々に香典を包むこともあります。
親の葬儀では、同居の有無だけでなく、家計や葬儀費用の負担、家族間の慣習を踏まえて判断するとよいでしょう。
兄弟・姉妹で香典を出す場合
兄弟・姉妹で香典を出す場合は、亡くなった方との関係によっても異なります。
例えば、祖父母やおじ・おばなどの親族が亡くなった場合、経済的に独立している兄弟・姉妹は、それぞれ個別に香典を包むのが一般的です。
個別に包むことで、遺族も誰からいくら香典をいただいたのか確認しやすくなります。
一方、兄弟・姉妹共通の知人が亡くなった場合は、相談して一つの香典袋にまとめることもできます。
ただし、故人との親しさによって香典の金額が異なる場合は、別々に包んだほうがよいケースもあります。
また、自分たちの親が亡くなった場合は、喪主を務めるかどうかや、葬儀費用を負担する立場かどうかによって、香典を包むかどうかが異なります。
いとこ同士で香典を出す場合
親族が亡くなった場合、成人して経済的に独立しているいとこ同士は、それぞれ個別に香典を包むほうがよいでしょう。
一方、未成年や親に扶養されている学生の場合は、親が代表して香典を包むことが一般的です。
ただし、成人したいとこ同士でも、相談して一つの香典袋にまとめることはできます。
その場合は、それぞれの名前と負担した金額を記載しておくと、遺族が香典返しを準備する際にも役立ちます。
特に、それぞれの負担額が異なる場合は、別々に香典を用意する方がよいでしょう。
親族間で香典の金額や出し方について慣習がある場合は、それに合わせるとよいでしょう。
職場・友人と香典を連名にする場合
職場の同僚と連名で出す場合
職場では、同僚や部署の方々が少額ずつお金を出し合い、連名で香典を包むことがあります。
例えば、10人が1,000円ずつ出し合い、合計10,000円を「〇〇部有志一同」として渡す方法です。
このような連名の香典は、一般的に行われている方法なので、失礼にはあたりません。
ただし、会社として用意する香典と、社員が個人的に出し合う香典は別のものです。
社員同士で出す場合は、参加する人や金額を相談して決めるとよいでしょう。
また、「部署一同」と「有志一同」は意味が異なります。
- 部署一同: 部署全員で香典を出す場合の名義
- 有志一同: 賛同した人たちが香典を出す場合の名義
部署全員ではなく、一部の方だけがお金を出した場合は、「〇〇部有志一同」とするとわかりやすくなります。
典袋の表面に連名で名前を書く場合は、2〜3人までが一般的な目安です。
- 2人: 2人の名前を並べて書く
- 3人: 3人の名前を並べて書く
- 4人以上: 「〇〇部有志一同」などと書き、全員の氏名を別紙に記載して中袋に入れる
これは職場の同僚だけでなく、友人同士で連名にする場合も同じです。
友人・知人同士で連名にする場合
友人や知人同士でも、香典を連名で出して問題ありません。
例えば、学生時代の友人5人が一人2,000円ずつ出し合い、合計10,000円を包む方法があります。
ただし、友人の場合はそれぞれが独立した関係にあるため、個別に香典を包むケースの方が多くあります。
また、友人同士で連名にする場合は、香典返しを辞退することも検討したほうがよいでしょう。
友人はそれぞれ別の場所に暮らしていることが多く、遺族が一人ずつ香典返しを用意すると、経済的や配送などの負担が大きくなることがあります。
辞退する場合は、全員の意向を確認したうえで、「皆で少額ずつ出し合った香典ですので、香典返しは辞退させていただきます」などと書いた一筆箋を香典袋に同封すると丁寧です。
なお、香典返しを辞退する場合でも、誰からいただいた香典なのかわかるように、全員の名前を記載しておくとよいでしょう。

連名で出す香典の金額はいくら?
連名で香典を出す場合、特別な金額の決まりはありません。
職場の同僚などで少額ずつ出し合う場合は、一人1,000〜2,000円程度が目安です。
また、連名の香典は、遺族が一人ひとりに香典返しを用意する際、負担が大きくなることもあります。
そのため、少額ずつ出し合う場合は、遺族への配慮として、香典返しを辞退する心遣いも大切です。
連名で香典を出す場合の香典袋の書き方
香典袋の名前の書き方は、連名にする人数によって異なります。
2〜3人で連名にする場合

2〜3人で香典を包む場合は、香典袋の水引の下に全員の名前を書きます。
職場などで立場に違いがある場合は、右側から役職や年齢が上の方の名前を書くのが一般的です。
友人同士など、上下関係がない場合は、五十音順に並べる方法があります。
また、夫婦の場合は代表者のフルネームを書き、その左側に配偶者の名前を添える書き方もあります。
4人以上で連名にする場合

4人以上の場合は、香典袋に全員の名前を書くのではなく、代表者の名前に「外一同」「外〇名」と添える方法があります。
職場であれば、「〇〇部一同」「〇〇部有志一同」などと記載することもできます。
ただし、香典袋に「一同」と書くだけでは、誰が香典を出したのかわからないことがあります。
そのため、別紙に全員の名前を記載し、中袋に入れておくとよいでしょう。
中袋には全員の名前と金額を書く?
連名で香典を出す場合は、誰がいくら出したのかを記載しておくと、遺族が香典の記録や香典返しを準備する際に役立ちます。
例えば、5人で合計10,000円を包む場合は、別紙に次のように記載します。
| 氏名 | 金額 |
|---|---|
| 山田 太郎 | 2,000円 |
| 佐藤 花子 | 2,000円 |
| 田中 一郎 | 2,000円 |
| 鈴木 美咲 | 2,000円 |
| 高橋 健 | 2,000円 |
| 合計 | 10,000円 |
個別の香典返しが必要になった場合に備えて、氏名と住所も記載しておくと丁寧です。
ただし、職場の大人数で少額ずつ集め、香典返しを辞退する場合などは、代表者の連絡先を記載する方法もあります。
大切なのは、遺族が誰からいただいた香典なのか確認できるようにしておくことです。
連名の香典は受付でどう渡す?
連名の香典は、代表者が一つの香典袋にまとめて受付へ渡して問題ありません。
例えば、職場の10人で香典を用意した場合は「職場の有志一同でお包みしました」と伝えて渡します。
葬儀の受付では、一般的に芳名帳や芳名カードに住所と名前を記入します。
連名の場合は、代表者の住所と名前に加えて、香典袋に記載した「〇〇部有志一同」などの団体名も記入しておくと、遺族が後から確認しやすくなります。
また、香典を出した方々の名前や金額を記載した名簿を香典袋に同封している場合は、受付で「皆さんの名前は中に記載しています」と一言伝えると親切です。
なお、芳名帳や芳名カードの記入方法は葬儀場によって異なるため、記入欄がない場合は受付の方に口頭で伝える方法もあります。
連名で香典を出すと香典返しは人数分?
連名で香典を出した場合、香典返しが必ず人数分用意されるわけではありません。
そもそも香典は、故人をしのび、遺族にお悔やみの気持ちを伝えるために包むものです。
また、葬儀にはさまざまな費用がかかるため、遺族の経済的な負担を助け合う意味もあります。
そのため、香典返しを受け取ることを目的に香典を包むものではありません。
特に連名の場合は、一人あたりの金額が少額になることもあるため、人数分のお返しを求めることは控えましょう。
当日返しの場合
葬儀当日に香典返しを渡す「当日返し(即日返し)」では、連名の香典に対して一つの返礼品を渡すことが一般的です。
ただし、地域や葬儀の方針によっては、人数分の返礼品が用意される場合もあります。
また、当日返しを一つ受け取った場合でも、香典の金額によっては、後日あらためて香典返しが贈られることもあります。
いずれの場合も、返礼品の数や金額は遺族側が判断するものであり、参列者が人数分のお返しを求める必要はありません。
会葬御礼と香典返しは別のもの
ここで注意したいのが、「会葬御礼」と「香典返し」の違いです。
会葬御礼は、葬儀に参列してくださったことへのお礼として渡されるものです。
一方、香典返しは、香典をいただいたことに対するお返しです。
地域によって、葬儀の際に「会葬御礼」を渡すか、「当日返し(即日返し)」が渡されるかの違いがあります。
例えば、参列できない知人の香典袋を別々に預かって持参した場合は、それぞれの分の会葬御礼や当日返しを渡すことがあります。
ただし、一つの香典袋にまとめた連名香典では、返礼品を一つ渡すケースが多くありますが、人数分渡す場合もあります。
地域や葬儀の方針によって渡し方も異なります。
連名で香典を出す場合は香典返しを辞退してもいい?
連名で香典を出す場合、香典返しを辞退しても問題ありません。
特に職場の方々が、少額ずつお金を出し合った場合は、香典返しを辞退するケースが多くあります。
香典返しを辞退する場合は、香典袋に同封する別紙などに、その旨を書いておく方法があります。
例えば、次のような文章です。
「誠に勝手ながら、香典返しのお気遣いはご無用にお願い申し上げます。」
ただし、連名で出した方全員が辞退する意向であることを、事前に確認しておきましょう。
また、辞退の意思を伝えていても、遺族が当日の返礼品を用意している場合があります。
その場合は、受付で強く受け取りを断る必要はありません。

香典を連名で出す場合のよくある質問
連名で香典を出すのは失礼?
連名で香典を出すこと自体は失礼ではありません。
夫婦や職場、友人同士など、複数人でまとめて香典を包むことは一般的に行われています。
ただし、別世帯の親族など、それぞれが独立した立場で香典を出す場合は、個別に包む方が無難なこともあります。
同居している成人の子どもは親と別々に包む?
必ず別々に包む必要はありません。
ただし、成人して収入があり、経済的に自立している場合は、親と別々に香典を包むことが一般的です。
一方、同じ家計で生活している場合は、親が代表して一つの香典を包むこともあります。
年齢だけでなく、生活状況や親族間の慣習を考慮して判断しましょう。
連名の香典は代表者だけが参列してもいい?
代表者一人が参列し、ほかの方々から預かった香典をまとめて渡しても問題ありません。
その際は、香典袋に全員の名前や金額がわかる別紙を添えておくと丁寧です。
連名で出した香典のお返しが一つだった場合は?
連名で渡した香典に対して、香典返しが一つだったとしても、必ずしも失礼な対応というわけではありません。
当日返しの方法や返礼品の数は、地域や葬儀社、遺族の方針によって異なります。
香典返しの数について、受付で追加を求めることは控えた方がよいでしょう。
香典を連名で出した後に、個別でも香典を渡していい?
連名で香典を出した後、さらに個別でも香典を渡すと、同じ人から二重に香典を渡すことになります。
特別な事情がなければ、連名に参加するか、個人で包むかを事前に決めておくとよいでしょう。
まとめ
香典は、夫婦や家族、職場の同僚、友人などと連名で出しても問題ありません。
ただし、家族や親族の場合は、故人との関係性や家計が同じかどうかによって、個別に包んだ方がよいこともあります。
また、職場や友人同士で連名にする場合は、誰がいくら出したのかを遺族が確認できるようにしておくと親切です。
一人あたりの金額が少額の場合は、遺族の負担を考慮し、香典返しを辞退する方法もあります。
なお、連名で香典を出した場合、香典返しが必ず人数分用意されるわけではありません。
当日返しや後返しなど、地域や葬儀の方針によって対応が異なります。
香典は、故人をしのび、遺族にお悔やみの気持ちを伝えるためのものです。
連名にする場合も、故人や遺族との関係性を考え、相手に配慮した方法で香典を包みましょう。
